― 霊王の領域 ―
[>>169大胆な動きについていくのに必死で、驚くのは後回しになっていた。
今ではそこまで大型のものばかりではないというのを差し引いても、竜とそこまで離れても息を合わきせるのは教官クラスでも容易くはないのではなかろうか。
だからこそ、憧れる。
遠い存在への憧憬が、類い稀なる先達への崇敬へと変わってゆく]
チッ。
[浅くとも感じられた手応えに、強引でも予定通りの連擊を押し通したが、やはり甘かった。
弾き上げられた槍を引き戻すのに一拍遅れ、まだ少しチラついている視界に集中が緩んで二拍遅れ。
指示がないと実戦経験の少なさを竜もまた露呈してしまうもの。>>170回り込む動きに合わせきれず、右側を曝して。
槍を構え直そうとした動きと重なり、すり抜けようとする相手に対して右脇が空いてしまった]