─ 談話スペース隅 ─
[宿に足を踏み入れたときにシモンの姿を見かけてもそちらは見ない振りをした>>165。
話しかけたところで、何を言えばいいのか。
ぼんやりと煙を吐いているとそのうちにゲルトが酒を持ってやってきた。]
あ?
これだけしかねぇの?
[グラス1杯の酒にケチをつければ、その後ボトルごと持ってきてくれた。
煙草をテーブルの天板でもみ消して、グラスを呷る。
いつかの遠征先で出会ったシモンと酌み交わした酒は楽しく、
近況や、上官への愚痴、それから昔話など取り留めのない話題で盛り上がったものだ。
思い出した懐かしさに目を細め、過去の記憶を肴にして一人、酒を呑む。]