[黄金の狼とガルーの遺伝子を埋め込まれた女の戦い。その目的は
女は『約束』を果たす為。
一方、我を失った狼は『喰らう為』に。
眼前の女を文字通り糧とすべく首筋を目掛け飛び掛った結果。
肉が食い込む感蝕、血が溢れ出る悦楽を一度に満たす。
身が、心が、快楽で満たされる。
獣の姿で表情は目立つことは無かったものの、人の姿を取っていたならば、酷く邪悪な笑みを浮かべていただろう。
しかし眼前の女も何故か笑いを浮かべている>>142。
笑う余裕など無いはずなのに。
「血を見るのが楽しいのか? 興奮するのか?
それでは……ますます俺の仲間じゃないか。
何故そんなナイフに拘る?
狼を屠る銀製でもないのに。
それにそのナイフ、明らかに動きを妨げているよな?」
声を発することが出来ていたのならば、こう告げてただろう。]