苦しみの度合いは人それぞれさ。その出来事がどれだけ心に傷をつけたか。何度機会を逃したって 最後の一回でも、掴めば良い。さっきも言ったろ。世界を呪うには、まだ早い。若い子の心って、案外柔軟だったりするんだよ。だから、 俺らの言葉、ちゃんと届くって信じてた。 思った通り。 ちゃんと、届いたじゃないか。[青年の左手を包む右手に、力を込める。柔らかな声は、それでも確かに芯をもって。]