[ その間にも剣の冷気を高め、トールが身を翻して巨狼の背後へと回る動きを見せると同時に、大きく振りかぶった剣を正面に振り下ろす ]
オオォッ!
[ 横面をはり倒すような勢いでぶつけた凍気に、巨狼の頭がこちらに向けば、更に気を引くように雄叫びめいた声をあげて、その足元に向かって駆けた ]
[ 咆哮と共に、吐き出された闇が襲って来るが、その大半は、ユーリエが放った突風>>156に散らされ、ローランドの香に浄化されていく ]
破っ!
[ 闇の残滓を搔い潜り、トールが切り裂いたと同じ場所を狙って氷の刃を突き入れれば、びしりと音を立てて、焔の熱を凌駕する氷塊が、奥深くに食い込んだ ]