[フランツとコンラートがお墓に行くというのを、笑顔で見届ける。
あそこには名と棺桶だけ刻まれた、”ウィルフレッド”の墓もある。先代――この男が表向きでなく先代と呼ぶのは、親である領主だった。]
(そっちこそ何を隠そうとしてんのかお見通しだぞ?)
[舌を出し仕種はまだ子どもっぽい。やれやれ、と肩を竦める。]
息子くん弱いんだったか?
そういえば俺の従弟達も弱い。酒呑ませるとその辺のもの壊す悪癖はあの兄弟似てるんだよな。
[気にするな、と言わんばかり片手を振る。
周りから見て動いてないように見えるのは当然だろう。]
俺のどこに信頼出来ないってとこがあったんだよ。
……ここまでしてて辞めないわけないだろ?
てかタッくんは? 俺が辞めたらどうすんだ?
[神妙に、かすかな寂しさを篭もっているような声で問われればからりと明るい声で腹の探り合いをはじめる。
いい加減、遠回しは飽きてきたところだ。――先ほどの鳴った従弟の携帯も気に掛かる。]
あと爺さん言うな、絞めるぞ。
もひとつおまけにお前。ガートちゃん気になってるだろ、見ればわかんぞ