― 天輪湖 ―
……モーント、シエル、合わせて。
[鈍色の影を睨むように見つつ、鏡の精霊と仔竜に告げる。
精霊ははーい、と口調は軽く、仔竜はぴぃ、と不安げな響きを伴って返してきた]
自由なる光、虹と共に綾を織れ。
古き虚ろより我らを守る、護りの力。
綾なし、織り上げ、衣となせ!
[紡ぐのは恒例となりつつある護りの術。
物理的な守護と癒し、それから、精神的な攻撃への体制を僅かながら上げるもの]
……警戒は、しておくべきですからね。
[ぽつり、呟いた後。
ふわり、傍らに姿を具象した鏡の精霊を振り返る]