―天獄の泉:衣装部屋―
[ 衣装部屋に辿り着く頃には息も上がっていた。
部屋の煌びやかさに心は踊らず、立ち尽くしている背を押されれば>>148
数歩前を進んだ後、
呆気ないほどにその場へ座り込み、
体を震わせていた。
改めて周囲を見渡せば張り巡らされた
大きな鏡に辟易する。
何をするのだろう、と肩を抱いたまま
男に視線を動かせば、指の音>>149 ]
い、……やだ。
[ 長い脚を組み腰掛ける様は玉座に座る
ように威圧的にも映った。
だが、脱げと言われて誰が喜んで脱ぐと
思っているのだろうか。 ]