― 自宅前 ―[ヤコブが雪かきが終える頃には……香辛料漬けの鹿肉をつめた瓶と、ラム酒に付けたドライアプリコットの小瓶を、凍ってしまわないようにと、気休め程度に布で包んで、家の外へと出てくるだろう。]……あの、その、え……仕込んだのをおすそ分けです。[そして帰り際に押し付ける。この時だけは借りを作りたくない一心からか、口調の割りには頑として譲らないだろう。何か世話を焼かれる度に、なんとかして借りを返そうと考えるので、このようなやりとりは、何度かあったものかもしれない**]