[ 騎士たる者の有り様について、紅の魔性はそれなりの知識は持っているようだった。>>152だが、その口調にはどこか他人事めいた響きを感じる。 「日が昇るまで」「狩り場」── 魔性はタルボシュを襲った天変地異の実情を明かした。瓏たけた魔性の紡ぐ言葉に、シェットラントの腕の中で姫が震えた。街ぐるみで被害にあっていると聞かされ、声も出せないほど心を痛めているのだろう。シェットラントは姫を抱える腕にそっと力を込めた。]