人狼物語−薔薇の下国

497 堕天の服従試験


邪眼の怪物 クレメンス

[礼を欠いても、彼の指は竪琴を弾くに忙しい。
 咎める為の唇は、尊き神への愛を謳うばかり。
 
 膨らんでいた蕾は歌声に誘われて萼を割り、しどけなく大地を彩る。
 清楚な花々は蜜に濡れ、馥郁が濃度を増す。
 ネロリの香りと混じり、空気が甘く膨らんだようにすら思えた。

 普段は視覚以外の感覚に怠惰を許しているが、今この時ばかりは鋭利に研がれていくようだ。自身の中に満ちていく甘い香り、夜も堕落も知らない清冽な彼の香り。

 小さく鼻を鳴らすと、天の御使いが人の子へ施す祝福を捉え。>>153

(170) 2018/03/19(Mon) 22:13:24

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