感傷であれなんであれ、赤字にならない間は続ければ良いのにと思うのですが。
………それとも、今までずっと赤字だったのでしょうか?
[冒険者はお世辞にも裕福とはいえない。
それが駆け出しであれば尚更。つけて飲んだりするものが多ければ赤字にだってなるだろう。
魔法使いや戦士などが酔っぱらって備品を壊すことも多そうだ。そうなれば修繕費がかかってくる。
考えているうちに、実は店主もかなり無理をしていたのではという気がしてきた。]
………………………………………………。
マスターもお疲れさまでした。
故郷に戻られるのですか。
なかなか戻れなくなるということはかなり遠いのですね?
きっとここを離れる冒険者も多いのでしょう。
寂しくなります。
[今は賑やかにこの店に屯している冒険者たちも、どれ程の人数が残るのか。
賑やかに声が響く店内を感慨深く見渡した。
向けられる問いに視線を相手へと戻す。]