人狼物語−薔薇の下国

21 剣と想い ─少年たちの継承戦争─


籠鳥 マリエッタ

 ― 回想/リッター家にて ―

[あれは十数年前。エリーザベトの母がまだ存命だった頃。
 両親に連れられて、リッター家を訪れた事があった。
 末子の顔見せの意味もあったのか、教えられていた挨拶の言葉を向こうの家族の前で言わされ、向こうの女の子も同じような挨拶をしていた。
 その後大人たちは難しい話を始めてしまい、二人の少女は中庭に連れ出されて放っておかれたのだった]

[互いに人見知りで、どう話し掛ければいいのかもわからなくて。
 ただ、二人とも一族にとって不要な存在で、居場所を見付けられないままに育ってきた境遇も、なんとなく感じ取れていた]

 エリーザベト、さま。
 ……エリーって、呼んでいい?

[両親からの言いつけをこっそり破って、女の子の名を縮めて呼んだ。
 ヴォルケンシュタイン家とリッター家は、仲がいいけれど友達ではない。
 でも、自分たちは]

 ねっ、おともだちに、なろっ

(170) 2013/07/08(Mon) 00:33:36

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