[竜騎兵隊は駆けながら、微妙にその速度を途中から場所により変えている。中央はやや、足を遅く。左右は広がり、十字砲火の中に帝国軍を誘い込むように。竜が翼を広げて敵を呑み込まんとするが如くに、広がり行く]硬いな……。[だが。敵騎兵の士気が高い>>6:65大人しく飲み込まれるよりも獰猛に、撃ちかかり来る。竜騎兵の中にも、敵の銃剣に撃たれ欠けていく者たちがある。それらも騎馬の蹄の音と泥濘のうちに、一瞬に死へと消え行く]