― 修道院側/南岸 ―
[南岸へと渡った者達へと、敵騎馬隊が突撃してくる。
少数ずつ複数に分かれて駆けてくる彼らの動きは、戦いに慣れていることを感じさせた。
最初に渡った大きな木の板と狩猟槍を持った大盾隊は、できる限り固まって動きながら、橋の前の空間を確保すべく少しずつ前へと出る。
一方の投槍隊は、渡り終えた者から大盾隊の前に出て騎馬隊に槍を投擲しては下がっていく。あるいは、その仲間を守るように狩猟用の網を数人がかりで広げた。
盟主が率いる部隊の皆には、対騎馬戦は狩りと同じだと説明されていた。
盾で壁をつくり、投槍で驚かせて引きつけ、網で足をとめ、長物で仕留める。
生憎と、長物隊が到着してはいなかったのだが。]