―第二エリア・医務室―
そうですね。
少なくとも、怪我人がいるので、カークは戻ってくると思います。
[ハダリーの出て行った扉を見ながら、シメオンにそう言う。
まさか、人狼を見つけ、おびき出そうとしていることなんて露知らず。しかし、なかなか姿をみせない様子に首をかしげた。]
ダーフィトと、カーク……
[そう言いかけて、先ほどのハダリーの言葉を思い出す。
あのヘラリと笑う顔の下、何かを隠しているのは感付いていた。
一番高い機密と言ったが、それは何なのだろうか。
手元にあるカークの上着を見ながらそんなことを思う。
だから、一応頭の片隅に。
もし仮に、このことを判断するときが迫られたなら、カークと直接話して決めようと、心に誓って。]
……遅い、ですね。
[それにしても、遅すぎやしないだろうか。**]