[ 奏でられる天上の楽の音の中、最後に天帝の手が、薄緑の蕾に触れると、ふわりと五彩の光が舞って、まず濃い群青の大きな花弁が開いていく。
花弁の数は合わせて八枚、縁には白い裾飾りのような襞を持ち中央にいくほど濃くなる群青は昼から夜へと向かう空の色にも似ている。
そうして、その中央から数限りなく伸びた銀色の花芯が、シャラシャラと、可憐な鈴の音のような音を響かせながら、それぞれに五弁の小さな花を開かせる。
空の色の花弁を背景と成して、溢れるように銀の星が揺れる様は、まさに「天星」と呼ばれるに相応しいもの ]