― アレイゼル領主館 ―[門番から家令まで話が通り、男が現れるのは程なくの事だ] …ふふ。多少の声は仕方があるまいよ。 官僚貴族は、今や解放派の最もたる槍玉だからな。[漏れ聴こえた従兄弟の声に、そう悠然と返しながら、男は姿を現した>>146] 最後に見た時はまだ若さ故の未熟が目に付いたハズなのだがな。 実に久しく姿を見れた事を嬉しく思うよ、ガーティ。[初老の家令のみを連れ、男は数年ぶりに再会した従兄弟に手を差し出す。互いの現在の立場を鑑みれば、その行為は無警戒とも自信の現れにも出る]