上出来。
飯にしようぜ。
[飯炊きくらいは手伝う心算でいたが、火起こしから準備までベルティルデがやけに手際よく進めるものだから、自然、調理も任せる形になったろうか。
椅子代わりになりそうな適度な大きさの切り株を火の傍に用意して、片方に腰掛けた。]
まあ、そんじゃ、俺は先に毒見。
[「多分」毒はないとされた、オレンジのような果実を齧った。
柑橘類ではあるのだろうが、確かに酸味が強いか。
しかし、それなりにいける、と判断して身振りで伝えた。
魚の焼ける香ばしい匂いが漂い始めれば、めいめいにそれを取って食事に入る。何となく、士官学校時代の演習が思い出されて口元に笑みが浮かんだ。四人でチームを組んでの演習、あれもてんやわんやだったものだ]