[医療スペースという単語に、医者嫌いが頭をもたげ、咄嗟に反発しそうになる。>>150
けれども、向けられる心配げな眼差しに、ぐっと言葉を飲み込んだ。
――行くと答えておいて、適当なところで休めばいいか?
そんな思惑が過ったりもしたのだが。
“証人として、私がご一緒しましょうか?”
との申し出を耳にすれば、逃げ場はなさそうだと、こっそり観念する]
そうだな――…
ああ、一人でなんとかならないことも、ないけど。
“頼れる”乗員さんが着いてきてくれるなら、安心だろう。
[頼れる、という言葉は、『病人である証人』という言葉の響きに対する、ちょっとした茶目っ気でもあったけれど。]