[黄色い瞳孔を横に流した先に、眉間に深く皺が刻まれる相手が見えた。最もな言葉を並べたてられてしまえば、コンスタンツェはローブを手繰り寄せて身体を丸めるしかない。] 今日のリヒャルトは理屈っぽい。[苦し紛れの文句は恐らく聞き流されたであろう。そのまま口を閉ざしていれば、無言を肯定と捉えられたのか村の近くで馬車が止まる。極めて自然な紳士的態度のおかげか、魔除けの小瓶の代わりだろうか。荷馬車の主人のささくれ立った手から飴玉を受け取っているのを、荷台から覗きこんでいた。]