人狼物語−薔薇の下国

312 ルー・ガルー戦記 7 〜攘夷/開国篇


貴族 クレメンス

― 回想/飛行船遭難後しばらく後 ―

いくらでも提供するなどと簡単に口にしては、つけ込まれるぞ?

[カナンは無事、と、断言したシメオンに>>126仄かな微笑を浮かべたのも一瞬、プディングのレシピで取引を持ちかけた男に返された言葉を聞くと、男は呆れたように肩をすくめた]

たかが菓子、と思っているかもしれないが、どんな小さなものであれ、未知の情報や技術は、大きな価値を持つ。ことにこのナミュールではな。

[千年の長きに渡って閉ざされたまま醸成された文化は、独自の美しさと完成度を誇りはすれど、同時に新しいものを取り入れる余地のない程に完成され尽くされてしまっている。鏡のごとき不動の水面に、小石が一つ落ちれば、その波紋は思いも寄らぬ程に広がるものだ]

しかしまあ、教えてくれるというなら喜んで受け取ろう。なかなかに大もうけ出来そうだ。

[男の頭の片隅に過ったのは、アレイゼル家の若き当主が、好んで口にする紅茶に合う菓子が無い、と、何かの折に零していた記憶]

(169) 2015/03/06(Fri) 23:48:28

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