恩知らずの薄情ものめ、と 思われているとは知りませんでした。[責めるようでもなく、常の皮肉が返る。]ひとりも何も。貴方と、…カレルですよ ──最初から、俺を、放っておかなかったのは。[名を出して、くしゃりと黒髪を片手で握る。掌の影から、そうでしょう。と、紫眼は琥珀色を見返した*。]