佐野ね。其方の方から山桜の、葉桜が見えたりするのかしら
そんなことをあちら側の部屋割の人が言ってたから
……う。だ、大丈夫だし、きっと寝るものお部屋で!お部屋で!!
[目線が戻って不思議そうな顔、されたなら
何でもないわと誤魔化して手をぶんぶんと振る
照れくさそうに頷く彼にまた照れて仕舞う
誤魔化す様に視線を虚空に彷徨わせていれば――何やら階下が騒がしい]
……?何かあったのかしら
ねぇオズさん、行ってみない?
[彼の裾をくいと引っ張り尋ねてみる
ひとりが心細く感じるなんて、今日の私どうにかしてるかもしれない]