[駆け上がるのに手間取っている間に、相手は退却を始めていた。
怯えて逃げ出すとかいう感じじゃない。あらかじめ決まっていた動きに見える。]
くっそ、逃がすかー!
[ミヒャエルが槍を投げれば、隊の仲間もそれに続いた。
退却していく弓兵の背中に投げ槍が飛ぶが、どれほど功を奏しただろう。
即座に追いかけようと思ったが、フェリクスの言葉を思い出して踏みとどまる。
限界とは違うけれど、ラインを見極めるのは重要だ。
今は、弓兵を追い出して、本隊が攻撃を受けなくなればそれでいい。]
止まれ!
被害確認!
[仲間の様子を確認しながら、次はどこへ向かうかと戦場を見渡した。]