―天獄の泉:回廊―
[ 人気のある回廊を早く過ぎ去りたかった。
男の目的地は判らず、
途中何度立ち止まろうと息を潜めた事か
判らない。
その度に声を抑えて周りに誰かいない者か
神経を尖らせて
そこに誰の気配もなければ安堵したよう
肩を落としてみせただろう。
だが、それも長くは続くまい。
男の言動>>148に自身でいっぱいいっぱい
の迷い子が視線を動かせば、
遠くには紅白の組み合わせ>>126>>137
彼らは此方に気付いたかどうかは判らない。
だが、横抱きにされている恐らく天使の
方に顔を痙攣らせ、移動する際、
擦れても良いから背伸びをして傍の男の
耳元に囁いたのだ。 ]