[躊躇うようなパメラの仕草に、問いかけることはしなかった。>>141
何のことはない、ただ告げる言葉を持たなかっただけかもしれない。
それでも震える唇が十年前>>142という単語を発せばぴくりと指先を強張らせ。
さらにリーザ、>>143と続いた瞬間。
ぱりん。
するりと手から滑り落ちるのとほぼ同時に。
音を立てて、硝子のポットが砕け散った。]
ああ...わる、い。
欠片飛ばなかったか?
[パメラに声をかけながら、ガタガタと痙攣する指先で。
一つ一つ、破片を拾い集めていく。]
パメラは片づけを手伝おうとしてくれたかもしれないないが、無言でそれを制して。
代わりに彼女の質問に答えようと、錆び付いた唇を動かす。]