[挽肉をこねて丸めて焼けば、
ハンバーグが出来上がるはずだった。
なぜ一段階綺麗にすっ飛んで、
炭まで華麗なメタモルフォーゼを遂げてしまったのか。
酸素と結びつくことが出来なかったかわいそうな炭素を
菜箸でつついていたものだから、
その来客があったとき、
事務所はちょっと取り返しがつかないくらい
焦げた匂いが充満していたことだろう。]
ん、お客さんかな？
[転がり込んできたのは女性だった。>>91
一目見て、まともな状態でないということは分かった。
無造作につかつかと歩み寄り、
頭のてっぺんからつま先までじっと観察する。]
