――でも。
あんまりながくつかっていると、あなたがつらいですものね。
[彼を見上げ、ほころぶように微笑みながら
はらりとほどけた彼の髪の毛の、落ちたひとふさをかるく引いて。
そうしたら、彼はその身をかがめてはくれたでしょうか。
顔が近づいたのならば、その唇のはしに口付けをおくりましょう。
彼への"ごほうび"は、こういうもののほうがいいみたいですから]
あんまりつらいなら、
さきにでていてもいいですよ?
[どうやらこの村には、"いろいろな"人が集まってきているようですし。
もしかしたら彼にも、楽しい出会いが見つかるかもしれません。
……出会いがあったとしても。ドロシーは一人では動けませんから、迎えに来てもらわなくてはなりませんが。
そんな思いをこめて問いかけてみたのなら
さて 返事はどうだったかしら]