―少し前―
[>>146よくいきてたもんだ、その言葉に、一瞬考え込む風を見せてから、苦笑いする彼を上目遣いで見つめ返す。
…これまで生きてきた約30年、確かに、我にも彼にも、色々とあった。]
[ふいに、頭上から降ってきたささやき声に顔を赤らめて、怒声をあげかけると、先手を打って謝られたので、返す言葉がなくなる。
ルートヴィヒは今も昔もこうして、「オトナ」っぽい幼馴染に黙らされて、もごもごと出かけた言葉を飲み込むのだった。]
(まあ、そんなんも悪くはないけど、
……やっぱお前はずっこいなぁ、タッくん…)
[心の中でそう、つぶやいて、彼を見送った。>>138>>142]