― 海精軍拠点:翌日夜・天幕 ―
……いらっしゃい。
[どうしてこの時間を、とも。何故通信具を、とも、問わない。
外には、マリエッタが控えているかもしれないが。もし同席を望むなら彼女も中へ促し、天幕を揺らした又従妹をいつもの姿で出迎えた。
……右腕と左肩の傷を、包帯で固めて。]
………………。
[月明かりは恐らく中天に。
陣幕を覆う布は、篝火に照らされ炎に彩られて。]
……レナートゥス……“レト”に、遭ったわ。
[思い出すのは、“弟”の>>5:172啖呵と>>5:271宣誓。
様子は、と問われただろうか。手傷を負わせたかと、警戒されただろうか。いずれにしても、それには答える事は無く。]