[睨むような琥珀と紫眼がかちあう。かつての面倒見のいい同居人の変らぬ眼差しを正面から受けて、]
…… 思ってませんよ。
[いつまでも一人だ、などとは。思っていないと、苦笑する。]
俺の目の前にいる誰かさんがいつもいつも妙に家庭的な菓子をおくりつけてきたり、何かとお節介を焼かれて、
おかげで、──ひとりにも戻れずに困ってならいますが。
ひとりだと。そう思っているだの誤解されたら、うっかりレトあたりにはマジ殴りされそうなんでその言い方はやめてください。
[言葉どおりに受け取られたら、本気で腹を立てられそうだ。と、そう思う。ステファン辺りも恐らく、眉を下げるような気がする。それは、流石に勘弁願いたかった。──どちらも、だ。]