何が! 守るだよ……くそ!!!
手前勝手に、望みだなんて、言って、それで……
なにも、
[ぽたぽたと零れ落ちるのは、自身の内にある、嘗て養父に語ったその言葉――望みの欠片。
どれだけ駆けずり回っても、守りたいと思っても、何かをしたいと思っても、
何一つ出来ることなんてなくて、すべて、全部、手遅れだった。
ことが起こる前に囮にと考えたとしても、それを実行すらできなくて、
為すすべなく爆発に巻き込まれるうちに、こんなことに。
なにかもの思うような、ガートルードの後姿の、その心は分からずとも、
声をかけることはせず、ただ俯いて、
よく動いていた、賑やかだった、いまはもう何も語らない、その表情と、
胸に空いた傷跡を見る。
彼が運び出されてゆくまで、ただ、その場に俯いて佇んでいた。]*