[他とは異質の、手書きの文字。この島に、「名前のない病」を閉じ込めたと。かつての島民が戻らない限りこの地に留まると。もしこれを書いたのがあいつの祖父なら。移送には応じず、ここに残っただろう。あいつは祖父を尊敬していたし。――だから、たからものを埋めるのにここを選んだのだ。]俺、ちょっと外を見てきますねお二人はごゆっくり[口元を覆い、ゆらりと身体を翻して外に向かう。一刻も早く確かめたかった。また、忘れてしまう前に。]