長居をし過ぎましたね。
付き合ってくださってありがとう。
[流石に勇者達と合流するまで此処に居るのは避けたいと、腰を上げかけたのだが]
…あぁ、そうだ。
これをエルフの彼女に。
[ふと、思い出したというように胸元から取り出したのは罅割れた赤玉。
それが繋がっている鎖を首から外すと、王子の手へと渡し]
「助けてくれてありがとう」と…
「壊してしまってごめんなさい」、と。
伝えて下さいますか。
[多分この青年なら聞いてくれるだろう、と頼み事をして。
竜の背から飛び降りると、風に乗って崩れた城跡へと戻っていった**]