[書斎の中には男がひとり。タクマではない、初めて見る顔だ。身体を擦り、何か警戒するような気配がある。ただ、どちらかと言えば逃げている側の印象だ。獲物を狙う目ではないと感じた。] 失礼、邪魔をする。 脱出口は見つかったか。[戸口のあたりから声をかけて反応を窺った。]