― 回想/1年前 ―
[戦いの仕方を教えて欲しい。
そうロヴィンに志願したのは、首都陥落やそれに伴う避難民受け入れが一段落した頃合いだった。
家族が戦火に巻き込まれた者も多く、学園内の空気は重苦しい悲しみに満ちていた。
ロヴィンもまた、家族を亡くした一人だとは、囁かれる噂の中にもあったけれど]
――はい。
戦いに向いてないことは、自分でもわかっています。
[それは才能というより、心構えの問題だった。
フレデリカが戦闘系魔法をほとんど学んでいないことは、その習熟度を知る立場であれば知れたことだろう]