[齎された二つの手土産、一方は領地の治水関連問題の解決に役立つもので、もう一方は家の女性陣に大変評判が良かった。
何より、青年の気質は自身としては好ましいものだったから。
騎馬弓兵の鍛練や演習が見たい、と請われたならば快く応じたりして]
馬?
あー……そういや、まだ引き取り先が決まってない仔がいたな。
正式な訓練は始めたばっかりだが、ウチでも屈指の名馬の初仔。
相性が悪くなさそうなら、連れてくかい?
[そろそろ出立するか、という頃合いのお強請り>>111も、さらり、とこんな調子で受け入れていた。
ちょっと渋い顔をしていた者もいなくはなかったが、そちらは滞在中にすっかり懐いた姪が笑顔で押し切ったという説もあるとかないとか]