[邪視を本質とする我が身が見つけた輝きは、盲目の光。
眩むような神の威光を崇拝し、清廉と潔白で出来た彼は、そこに居るだけで地上の風景を天上のものへと近づける存在であった。
人間種が魅せられたように彼に教えを説かれたがるのも頷ける。
彼より肌で感じるのは勇敢なる守護の気配。
人を奮い立たせ、導き、赦す者だ。>>150
さぞかし神の庭で大事に飼われていたのだろう。
魔にも負にも触れさせず、箱庭の中で純粋培養された実り。>>143
神の矛となる高潔も厭う所ではないが、闘争の匂いに誘われたのは遥か過去のこと。それに創世より時を経た今の時代、一糸の穢れも無い魂は希少価値をも有している。
彼を天の御使いと敬う月色の裏、彼の価値を測る赫が在る。
真摯に見つめる彼には到底見透かせぬ、深い場所での打算。
邪視に長けた我が身を見目で計るなど、微笑みを深める他なかったが。]