(リエーーーフーーーーーー!)
『責任転嫁はいただけないな』
[思いっきり睨んだ先には、先ほど工事業者の方かしらと勘違いした大男の姿があった。
盛大な自滅とはいえ、やるせない思いを契約者にぶつけずにはいられない。
日頃取り澄ましているのにこの道化っぷり。
あまりの虚しさに涙目になろうともいうものだ。私の馬鹿ぁ!
とはいえ、こちらの嘆きと裏腹に、大男はにこやかに微笑んで手を差し伸べてきた>>158
あら、思ったより紳士だわ、と虚を突かれて目を瞬かせる。
自然に手を差し伸べる様は、まるで補佐になれたメイドさんのよう。
……何てことを考えたら、目の前の彼がメイド服をまとってる図が脳裏を過ったので、慌ててぶんぶん首を振って打ち消した]