ったく。
[互いに誤魔化し切れなくなったところで、ぱっと手を離す。
言い慣れないことを言った所為で、色々つらい。
気恥ずかしいの一言に尽きるけれども…嬉しくもある。
こんなことを自分に言ってくれる友人が出来たことに。
背中預けることが出来る、また、並び立ちたいと思う者が居ることに。
敬愛すべき先輩、追い付きたい目標が、具体的な形で近くにあることに。
素直でない自分が抱く素直な感情。
不思議で擽ったいような心地だ。
自分と然程差のない位置にある、カレルの背中をばしんと叩いた。]
………
[そんな時、シロウの背を見つけたのだった。*]