[右に体を傾け、ゾフィヤの横を抜けるようにして渦巻く炎と対峙する。
高熱がちりちりと髪や肌を焼き、金属の鎖鎌もあっという間に熱を持つ。
そのまま飛び込めば無事では済まない。
ゾフィヤに鎖の一端を絡めたままでは、一瞬で全てを打ち払うことも出来ないだろう]
でも、――抜ける道はあるはず!
[確率が0でないならば。
――0ではないと、蟷螂は信じた。
翅で空を打ち、右手で鎌を振り上げて。
引き寄せられるように炎塊の一つへ向かい、払うように鎌を振り下ろす]
[幸運にも、蟷螂が打ち払ったのは、炎塊の唯一の本体>>158*]