[>>154>>155 閉じられる扉に、どくん、心臓が跳ねる。今までこんな事は無かった。胸を占める感情の名前こそ知ってはいたものの、自分には縁の無いものだと、思っていた。ひどく、しずかだ。ベッドの軋む音が部屋に響く。] ……… それはこっちの台詞だ、ニコラス兄さん。[苦笑しながらも返す言葉には、本音が混じる。村に現れた人狼に彼が喰われてしまったらと、そう考えてしまっているのも事実。必死に押し込めている感情には、気付かれないよう――*]