人狼物語−薔薇の下国

215 龍海乱舞 ─南方海域波乱航─


つむじ風の白狼児 ゲルト

[そんなやり取りをしている間に、輪を介して届くのは、そろそろ着く、と知らせる声。
ちら、と後ろを振り返れば、見慣れた小柄な船影が目に入る]

……さて、そんじゃぼちぼち。

[言いながら、くるり、左の手首を回す。
応じて生じる糸が微かな光に煌いた]

お暇すると、しましょーか!

[どこまでも軽い口調で言いつつ、アイリを引っ張って船縁に寄る。
タイミングよく距離を詰めて来たシュタイフェ・ブリーゼに向け、勢いよく左手の鋼糸を伸ばして]

んーじゃ、お邪魔様でした!

[それが支えを得ると、右腕でアイリを引き寄せ、抱えるようにしながら甲板を蹴った。
不安定な状態だが、元より、身体能力に優れた妖白狼の血脈。
そこに風精の援護も重なれば、無事の帰艦も容易く──はないが、そう難しい事ではなく]

(166) 2014/07/04(Fri) 08:56:24

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