廊下→浴場
…信じられるもの…使えるもの……。
[>>0:153 中庭への途中、リエブルから教えられた言葉を繰り返す。だけど記憶のそれは、どうしても悲しい響きを持っていて。]
今の俺には…、リエヴルさんしか…。
[無意識に手を伸ばした制服のポケットに、先ほどクレステッドがくれた飴が触れる。
薬包紙を解いて乾いた口内に放り込めば、苦みのほとんど無い、ほのかに優しい甘さが広がった。]
後でクレスさんにも、ちゃんとお礼をしないとな…。
[舌の上で転がす度に溶ける甘さは、じわじわと身体中に染み込んでいくような気がする。
まるで母親に抱き締められている時のように、痛みもまた和らいでいくようだった。]
俺は誰かを使うなんて…。
[出来そうにない。]