[本来なら、キアラの願いを叶えてやろうと立ち会わせたのに、彼女は物言わぬ骸となって転がっている。
悪夢のような光景だ。]
おまえに用意した贄は彼女じゃない。
彼女を──キアラを無事に戻してくれ。
[ベリアンは真摯な”望み”を告げたが、召喚されしモノは「可能性は無限とはいえ、いかなる者にも死んだ者を蘇らせることは許されていない」と応えた。
その理屈にはベリアンも頷かざるを得なかった。
「代わりに、この娘を”屍鬼”にすることならばできる」と、そいつは囁いた。
「おまえの命令に従う、柔らかな人形だ」
そして、魔導書を取り出し、「この娘を”屍鬼”にすることを望むか?」と問うた。]