[ 門は巨大だ。
重厚で、覆いかぶさるようで、
そして歪んでいる。
その隙間は、先日確認した時よりも広がっていて、異質な空気が漂っている。
魔に属する体になったせいか、近づくと少しだけ体の動きが楽になった。
人間である間は、気分が悪くなったものだが。 ]
そういえばまだ言っていなかったな。
[ 息をしていないテオドールの声は明瞭だ。
ヤコブを振り返って言う。 ]
俺はお前の親父じゃない。
テオドールが、親に貰った俺の本名だ。
「王命に誓って」真実だ。
[ まるで騎士であるかのように、王の名を出して。 ]