嘗めた態度で…あんたと殺し合いが出来るかってんだ…!
[左肩に刀を突き刺され、右手で刃の部分に触れぬようにそれを掴んで引き抜こうとする中。
こちらの思惑を悟られたのか冷めた視線が向けられ、嘗めてるのかという言葉が飛んできた。>>76
嘗めてはいない、これでも全力だ、様々な事に対して。
……全力を入れる方向が少しズレていたようだが。]
う、ぐぅ……いきなりはい、だッ!?
[左肩に突き刺された刀が引き抜かれる痛みに耐える間も無く、男の顔目掛けて繰り出された蹴りを避けようとした。
しかし避けられず男の額へ命中、体勢を崩して床へ倒れ込んだもののすぐに起き上がる。
ナイフを取れと言うクレメンスの言葉を聞いて、まだ疲弊しきっていない死神が動いたから。
その間男にしては珍しく何も語らず、淡々とナイフを拾い上げ……
立ち上がりきる前にナイフを構え、相手の左足へ突き刺そうと姿勢を低くしたまま真っ直ぐ走り出した。
死神が焦って無謀にも突っ込んで行く事を選んだのだ。
男は当然その攻撃が命中しない事を願うが、今は死神が体を支配しているからどうしようもない。
これが命中して隙が出来るようなら、ナイフを掴んでいた右手を離して体を押さえつけ左手は首元へと伸ばしてそのまま締め上げようとするだろう。
避けられれば、その勢いのまますっ転びそうになってそこから立て直そうとするだろうが、隙が生まれるのは確実である。**]