立つ鳥後を濁さずっていうだろ?
きちんと面倒事は全部、終わらせておきたいんだよ。
[そんな癖あっただろうか。今度から気をつけよう――取り合えず目前の旧友をどうにか丸め込むのが先だ。]
……暗殺、な?
[ここまで切り込むということは、相応の準備をしているのだろう。
溜め息ひとつ。間は空けないように。]
お前、いくら何でもその名前をここで――!
[冷静に頭を巡らせていて、ぽとりと床に落ちた名に反射的に反応する。]
……二度と呼ぶなって言った、だろ。
[語尾がかすれる。愚かな男じゃない。その名を出す時は、相当切迫している時だ。
不自然なぐらいに間が空いた。続く言葉が見つからない。]