[尊厳を奪われぬ為の対抗手段として銃を抱えながら
戦意を失ってしまったように思える、カレルへイドを放つ。]
君の敵は、正しくルージュだろう?
クレステッドの血を奪ったのは奴らだ。
……良いように蹂躙されたのかも、知れないぞ。
[後者は挑発の意味を込め、敢えて付け足し]
奪われたのなら、取り返せ。
君が真の鑑定師なら、血眼でルージュを捜す。
偽の鑑定師なら、自分達の勝利を目指して
願いの叶う心臓とやらに賭けるか、
従っているふりをして主人の寝首を搔き
クレステッドの仇を取ればいい。
[男の言葉が、彼の耳にはどう聞こえたか。
ルージュもブランも関係なく、叱咤する内容だった。
返答を期待するものでもなく、イドは直ぐに消えただろう**]